【登壇】Innovation Nippon2025シンポジウム「子どもと社会をつなぐ、インターネットの未来像」に登壇しました。
- Koichi Kobayashi
- 6月25日
- 読了時間: 5分
更新日:2 日前
総務省「DIGITAL POSITIVE ACTION」プロジェクトの一環として開催されるInnovation Nippon 2025シンポジウム「子どもと社会をつなぐ、インターネットの未来像」に、小学館からコロコロコミック編集部 副編集長の小林浩一が登壇しました。
ICTリテラシー向上のためのシンポジウムが開催
総務省「DIGITAL POSITIVE ACTION」プロジェクトは、インターネットやSNSにおける利用者のICTリテラシー向上を目指して発足された、官民連携での意識啓発プロジェクトです。
本シンポジウムでは、「子どもと社会をつなぐ、インターネットの未来像」をテーマに、現代の子供たちを取り巻くインターネット環境について、専門家の意見を交えながら議論が行われました。
3名の基調講演からスタート

シンポジウムは3名の基調講演からスタート。
それぞれの立場から、青少年のインターネット環境についての認識や対策が紹介されました。
吉田 弘毅氏(総務省 情報流通行政局 情報流通振興課 企画官)
吉田氏の講演では、青少年のインターネット利用率が急速に増加している背景を踏まえ、フィルタリングサービスの普及率について言及。携帯電話事業者等には、保護者から利用しない旨の申し出がない限り、フィルタリングサービスの提供が義務付けられていることや、「利用制限」から「利活用前提」での対策に変わってきていることなどが紹介されました。
野田 由比子氏(グーグル合同会社 YouTube 政府渉外・公共政策部 ジャパン リード)
野田氏の講演では、YouTubeにおける取り組みに注目し、コンテンツの内容をAIを使って分析していることや、「4つのR」(REMOVE / RAISE / REWARD / REDUCE)に基づいて責任に対する取り組みを行っていることなどが紹介されました。
山口 真一氏(国際大学GLOCOM 准教授・主幹研究員)
山口氏の講演では、全国4,800人の青少年と保護者を対象に行なったアンケート調査の結果をもとに、青少年のインターネット利用率が、保護者の認識より実際は10%程度高いなど、青少年のリアルなインターネット環境が紹介されました。
パネルディスカッション第1部では小林副編集長が登壇

続くパネルディスカッションでは、コロコロコミック編集部 副編集長の小林浩一が登壇。今子 さゆり氏(LINEヤフー株式会社 メディア統括本部 シニア トラスト&セーフティー マネージャー)、冨田 直人氏(Adora株式会社 代表取締役社長)とともに、2つのテーマに沿って議論が進められました。
テーマ①「青少年がインターネットを安心・安全に、かつポジティブに活用できる社会環境の整備」への各登壇者の取り組みと狙いについて。
今子氏は、「Yahoo!ニュース」の意見投稿欄「Yahoo!ニュースコメント(ヤフコメ)」に導入した投稿内容の表現の見直しを提案するAI「コメント添削モデル」を紹介。実際に不適切なコメントが減少していることが伝えられました。
小林副編集長は、紙からデジタルに移っていく中で、デジタルは味付けの濃いコンテンツが好まれやすい傾向があると指摘。「コロコロコミック」もエンタメとして刺激の強いコンテンツを扱う雑誌ではあるとした上で、エンタメの中に学びのエッセンスを交え「小さく学ぶ」という小学館の得意とする方法で、大人目線ではなく、子供の目線に立った伝え方の重要性を主張しました。
AIを活用した子ども見守りアプリ「コドマモ」を提供する冨田氏は、お題の「ポジティブ」という部分に言及。子どもからインターネットを完全に取り上げるのは、逆にリテラシーの向上を妨げるとして、「コドマモ」では適度なフィルタリングにすることで、子どもがインターネットに触れながら、自分で学んで貰えるような環境整備に取り組んでいることが紹介されました。
テーマ②「ステークホルダー間の分担、特に保護者と企業の役割分担」について。
2つ目のテーマに対して小林副編集長は、インターネット(テクノロジー)を包丁に例え、必ずしも保護者が正しく扱えるものではなく、保護者と子どもが一緒に失敗も経験しながら触れていく機会が必要なのではと訴えました。また、コロコロコミックの名称の由来にも絡めて、「七転び八起きを繰り返しながら、成長していく。そこに企業も一緒になって考えていく機会が創出されてもよいのでは」と述べました。
パネルディスカッション第2部には現役保育士インフルエンサーも

その後のパネルディスカッション第2部では、現役保育士 / 育児アドバイザーで YouTube でも活躍するてぃ先生などが登壇し、「安心・安全なネット社会をどう実現するか:制度・ルール・多様な主体の連携を考える」をテーマに議論が行われました。
本シンポジウムでは、現代の子供たちを取り巻くインターネット環境に対して問題意識を抱える、関係省庁、企業、専門家、教育関係者など産官学民の多様な立場が集い、子どもとインターネットに関する課題と可能性、対応策について多角的に議論が行われました。
コロコロコミックでも引き続き、子供たちを取り巻くインターネット環境の改善に取り組んでまいります。
関連リンク
GLOCOM Innovation Nippon 2025シンポジウム「子どもと社会をつなぐ、インターネットの未来像」イベント案内(講演資料有)https://www.glocom.ac.jp/events/information/10852
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